かさ比重差のある建設廃棄物のふるい分け

CASE 020

  • 処理:ふるい分け
  • 業種:リサイクル
  • 原材料:建設廃棄物(砂・砕石・石膏・木屑等の混合品)
  • 導入商品:ジャンピングスクリーン

依頼内容

リサイクル会社様から「建設廃棄物のふるい分け工程で選別される砂に、木屑などの可燃物が混ざってしまう。取り出せないか」とご相談がありました。

課題・原因

ビルや家屋の解体時に発生する建設廃棄物にはさまざまな原材料が混ざっているので、この工場では、振動スクリーンなどを使い数段階のふるい分けを行っていました。その工程の後半で選別される粒度4mm以下の砂に、主に木屑などの可燃物が混在しており、これが問題となっていました。この砂は埋め戻しなどに再利用されるのですが、可燃物が含まれているとその部分が年数を経て腐食し、隙間となり地盤沈下などにつながる恐れがあるからです。しかし、木屑のかさ比重は砂の1.3に比べ半分以下の0.6と相当軽い上、砂中に含まれる木屑の比率も5~10%と非常に少ないので、一般的な振動ふるい機で選別するとなるとかなり大きな面積が必要になります。もちろんそれでは現実的な解決策と言えず、そもそも施設内にそのようなスペースはありませんので、できるだけコンパクトで選別精度が高い別のアプローチが望まれていました。

提案内容

一般的な振動ふるい機では課題となる「大きなかさ比重差」に着目し、原材料に高い加速度を与えることのできる波動式ふるい分け機「ジャンピングスクリーン」を選定しました。「ジャンピングスクリーン」は、柔軟性のあるウレタン製のスクリーンマットを波動運動させ、30~50Gの加速度で原材料を跳ね上げ分散させます。これらの作用は原材料同士のかさ比重差が大きいほど効果覿面のため、重い砂と軽い木屑を精度よくふるい分け選別できるはずだと考えたからです。この提案を聞かれたお客様は、これまでと全く違う方法にためらいと不安を感じているようでしたが、後日、粉体エンジニアリングセンターでのテストで、実際にマットの動きとご要望通りの選別結果をご覧いただき、導入を決断されました。納入後は、高精度な選別により、それぞれの原材料が再活用できる良質な資源となり、最終的な廃棄物としての処分量も減らすことができました。お客様からは、リサイクル率のアップにともない環境活動の社会貢献度もアップし、企業イメージも改善できた、とのコメントをいただきました。その後、処理量が増えこれまでに工場を2つ新設されましたが、その際にもお声かけくださり、いずれも「ジャンピングスクリーン」をご注文いただいています。