省スペースの垂直輸送機による冷却

CASE 029

  • 処理:冷却、輸送、供給
  • 業種:鉱業
  • 原材料:金属系ペレット
  • 導入商品:バイブロリフト

依頼内容

鉱業メーカー様から「計量機付き袋詰め装置の前段で、金属系ペレットを30度冷却できる省スペースな装置を探している」とご相談がありました。

課題・原因

原料の金属系ペレットは、前工程のペレタイザーで加熱され、「バイブロフィーダ」から70度の高温で排出されます。次工程の計量機付き袋詰め装置に投入するには40度以下にする必要があり、このままでは最終工程に進めません。お客様にとってこの原料は、新製品として今回初めて取り扱うとのこと。これまで試作を繰り返してきましたが、その際にはステンレス容器に排出させ放置し、自然冷却していました。しかし、製品もようやく完成し、量産体制に入るためにはこのまま自然冷却という訳にはいきません。一般的には、冷却用に振動式コンベヤなどを組み入れるケースです。ところが、「バイブロフィーダ」と計量機付き袋詰め装置間の床面積がかなり狭く、振動式コンベヤを設置できるスペースがありません。量産体制の確立が急がれる中、お客様は見通しが立たず困り果てていました。

提案内容

ユーラスバイブレータを駆動源とするスパイラル式の垂直輸送機「バイブロリフト」をご提案しました。一般的なコンベヤは輸送物を床面と平行に移動させますが、「バイブロリフト」はトラフが螺旋状で上方向に垂直移動させる構造のため、設置面積がとてもコンパクトです。しかし、お客様は重力と逆行する方向に搬送できるということに驚かれ、原理をご説明しましたが疑問が残っているままのご様子でした。後日、振動機器テストセンターで実機による搬送テストに同席され、実際に輸送物の上方への動きをご覧になったことで、ようやく不安が解消されたようでした。導入いただいた最終のご提案内容は、計量機付き袋詰め装置のホッパに排出できる高さを確保するためトラフは全十数ターン(ターン=螺旋1巻)、そのうち冷却用の水を流す冷却ジャケットを装着するのは下から数ターンまでとしました。これは、本件の金属系ペレットは比熱が小さく冷めやすい特性がありますので、冷却ジャケットをミニマムにすることで本体コストと稼働時の冷却水使用量の両方を軽減できるからです。設置も予定スペース内に効率よく収まり、仕様にも冷却効果にもご満足いただくことができました。試運転時にはさっそく別の増設案件の打診までいただきました。