作業床の下に入る低騒音の長距離輸送機

CASE 033

  • 処理:輸送
  • 業種:自動車
  • 原材料:鋳物砂ガラ
  • 導入商品:マルチ電磁コンベヤ

依頼内容

自動車メーカー様から「鋳物砂ガラの選別・解砕ラインを新設するのだが、狭い空間に最適な輸送機を提案してほしい」とお声かけいただきました。

課題・原因

新たに導入するのは、原料の鋳物砂ガラからアルミナサンドを回収するための選別・解砕ラインです。まず、高さ700mmの作業床を設け、選別機を数台その上に並べます。そして、解砕機は作業床の横に配置しコンベヤをつなげますが、設備レイアウト上、コンベヤの投入口が選別機の直下からかなり離れた位置になっていました。必要とされていたのは、選別機から排出された原材料を、作業床の下を通って10m先にあるコンベヤの投入口まで搬送する輸送機でした。設置場所は作業床下の空間となるため、高さが600mm以下でないと収まらず、そのうえ、コンベヤ上面の投入口から作業床までは200mmのすき間しかありません。サイズ、スペース、そして距離、選択肢は限定的でした。また、現場作業員への配慮から極力低騒音であること、さらに、定期清掃などのメンテナンスが容易であることもご希望でした。

提案内容

ご提案したのは、最長30mまでの長距離輸送が可能な電磁式振動コンベヤ「マルチ電磁コンベヤ」です。2質量タイプと3質量タイプがありますが、2質量タイプであればトラフの天地幅を150mmに設計することで全体の高さを580mmに抑えられます。トラフだけが前に突き出しているデザインのため、天地200mmのすき間でも解砕機につながるコンベヤの投入口までリーチできます。振動式と比べると大幅に稼働音が静かなうえ、シンプルな構造のためほとんどメンテナンスは不要です。ただ、費用面において想定を超えていたことで、お客様は非常に悩まれていました。しかし、当社粉体エンジニアリングセンターでの実機によるテストで低騒音かつ安定輸送を実感され、すべての条件をクリアしているとの高評価のもとご発注いただけました。納入後はトラブルもなく、メンテナンスも摩耗の点検程度と好評で、別のラインでも導入したいとのお話までいただけました。