コンクリート廃材からの骨材リサイクル

CASE 035

  • 処理:供給、粉砕、表面研磨
  • 業種:砕石、リサイクル
  • 原材料:コンクリート廃材
  • 導入商品:連続式バイブロミル、バイブロフィーダ

依頼内容

砕石業者様から「新たに再生骨材の製造に取り組みたいのだが、コンクリート廃材から骨材のみを回収できないだろうか」とのご相談がありました。

課題・原因

お客様は、コンクリートなどで使用される骨材のメーカーです。骨材の材料は、川、海、山などから採取する砂利や砂といった天然資源です。世界的な自然環境保護や循環型社会へのトレンドのなか、骨材もリサイクル化し、その一翼を担いたいとのことでした。ビルなどの解体・撤去時に発生するコンクリート廃材からセメントを取り除き、もとの砂利や砂だけを回収し再生骨材として再販できないか、とお考えでした。ただし、少しでもセメントが付着したままだと品質的に商品化できないため、砂利や砂は壊さずにセメントだけを確実に除去するという、その当時は実例のない難題への挑戦となりました。

提案内容

本件のようなケースは初めてだったため、まず、どの機械なら表面研磨を行える可能性が高いかの検討から始めましたが、熟慮の末に「連続式バイブロミル」を選択したプランをご提案しました。「連続式バイブロミル」は、本来粉砕を目的に使用しますが、媒体としてドラム内で回転するロッドの最適な条件さえ見極められれば、表面研磨という使い方もできるはずだと考えたからです。全体工程としては、まず、材料である30mm以下のコンクリート廃材を「バイブロフィーダ」から「連続式バイブロミル」に投入します。そしてミル内で、セメントだけを砕き落しながら、骨材である砂利や砂は壊さず、表面に残ったセメントをこすり剥がすように研磨します。その後、2台のふるい分け機を使用して20mm~13mm、13mm~5mm、5mmアンダーの3種類の製品に選別するというラインです。さっそく実機によるサンプルテストとなりましたが、なかなかロッドの最適な条件が見つかりません。少しずつサイズや比率や本数を変えながら幾度となくテストを繰り返し、数日後にようやく、最も効果的な組み合わせにたどり着きました。お客様もその仕上がり具合を高く評価され、すぐに導入が決まりました。納入後はスムーズに稼働をつづけ、高品質の再生骨材を生産しています。徐々に販売先も広がり、出荷量も順調に伸びているとのお話でした。そして、このシステムは画期的ということで、お客様と当社の協同で「再生骨材の製造方法」という名称で特許を取得しました。