スラリーの脱気工程で振動力を自動調節

CASE 041

  • 処理:混合、脱気
  • 業種:窯業
  • 原材料:スラリー状の耐火物原料
  • 導入商品:バイブロパッカ

依頼内容

窯業メーカー様から「バイブロパッカ」をご注文いただいた際、「耐火物原料の脱気工程を改善できないだろうか」とご相談がありました。

課題・原因

生産しているのは、数十種類におよぶさまざまな形状の定形耐火物です。まず、原料に水を混ぜ合わせスラリー状にします。次に、それを充填機の上にセットされた型に流し入れます。そして、充填機を稼働し上下方向の振動を加え、脱気しながら均一に流動化します。この脱気工程で使用されている充填機が、当社の振動テーブル「バイブロパッカ」でした。追加注文の目的は使い分けによる生産効率アップとのことでしたが、よくお話を伺うと、現状の脱気工程に満足されておらず、改善に取り組みたいとのご希望がありました。焦点は、型を交換する際の現場作業員の負担軽減です。脱気工程においては、成形する型の種類やサイズにより「バイブロパッカ」の設定すべき適正な振動力が異なります。そのため、型を変える度にインバータの運転周波数を手動で調節し直す必要があったのです。そのうえ、インバータは振動の影響を受けないよう離れた場所に設置されていて、そこから「バイブロパッカ」の状態は見えません。動作確認作業もあるので、型を変える度に作業員が行ったり来たりしなければなりませんでした。

提案内容

型交換時の作業負担につきましては、手動で行っている調節作業を自動化することで、根本的に解決できると考えました。そこで、加速度センサと制御盤を採り入れるソフト面での対策をご提案しました。具体的には、「バイブロパッカ」のテーブルにセンサを装着し、運転時の加速度を測定します。その数値は常時監視され、制御盤側で適正な振動数になるよう運転周波数の指令値を自動的に調節する、という仕組みです。ただし、制御盤の設置場所はやはり離れた場所になってしまうため、「バイブロパッカ」の近くに操作盤を設けることもあわせてご提案しました。そして、新規の「バイブロパッカ」本体はすべての型が収まるサイズに設計し、既設に追加ではなく既設をリセットすることをお勧めしました。ソフト面での対策により2台を使い分ける必要がなくなりますし、なにより1台のほうが現場の運用がシンプルだからです。お客様からは「改善が期待できる」との評価で、プラン内容通りでの採用が決まりました。納入後は、「作業員の負担が大幅に軽減できたうえ、2台を想定していたので省スペース化までできた」と非常に喜ばれ、他工場へも同仕様でのご注文をいただきました。