泥水の固液分離用網にウェッジワイヤー

CASE 042

  • 処理:ふるい分け
  • 業種:建設
  • 原材料:泥水
  • 導入商品:バイブロスクリーン

依頼内容

掘削請負業者様から「建築現場で泥水を固液分離するための、トラックで運べるふるい分け機を提案してほしい」とご相談がありました。

課題・原因

建設現場では、立坑や上下水道管を施工する際に掘削機から大量の泥水が排出されます。その泥水は、まず水中ポンプで吸い上げられ、固液分離のためふるい分け機に投入されます。水分をふるった網上の固体側は、その後、最終処分場(埋め立て地)に搬入するというフローでした。新規導入するふるい分け機について、お客様からの条件は3点ありました。1点目は機動的であること。現場は定期的に移動するので4tトラックの荷台に載せて持ち運べる仕様をご希望でした。2点目はスクリーンが頑丈であること。泥水の状態はさまざまです。大きな塊が紛れ込んでいる現場も多く、その衝撃に耐えられる強度が必要でした。3点目は防振バネの腐食対策。使用環境は屋外で原料も泥水のため、通常のスチール製スプリングではないもの、というご要望でした。

提案内容

4tトラックの荷台は、およそ幅2,200mm、長さ4,800mm。この面積を有効に活用できるよう立案します。まず、ふるい分け機は、当社の振動式スクリーン「バイブロスクリーン」を選定しました。「バイブロスクリーン」は納入実績が豊富なうえ、振動源がユーラスバイブレータなので、当社で最も信頼される商品の一つです。本件では、幅900mm、長さ1,800mmの設計とし、残りのスペースが最大となるよう、向きを荷台と垂直にして後方に配置します。そうすることで、エンジン式発電機や工具類など、作業に必要なものすべてを一緒に積載できるので、このトラック1台だけで機動的に対応可能というわけです。そしてスクリーン網については、一般的な平織の金網では頻繁に破損してしまうことが推測されるため、ウエッジワイヤ(目開き1mm)の採用をご提案しました。ウェッジワイヤーは、断面が逆三角形のワイヤーを等間隔に並べた強靱なスクリーンで、少々高価ではありますが、目詰まりがしにくく脱水性が高いうえ、逆洗効果もありメンテナンスが容易です。また、防振バネの腐食対策についてはゴムバネの採用で解決できることをご説明しました。さらに、通常両サイドに装着するユーラスバイブレータを上部に取り付けることもご提案しました。この工夫により、スクリーン部を800mm低くできるので、排水口脱着時の作業負担が格段に軽減されるからです。お客様は、プラン全体の中で、ウェッジワイヤーの金額に対し最初はためらっていましたが、金網の場合と交換頻度・作業人工を比較され、最終的に採用となりました。導入後は、「トラック1台で完結でき現場移動が効率的になった」「スクリーンを低床にした工夫も作業者の負担軽減に貢献している」とご好評いただいています。ウェッジワイヤーはというと、納入後5年以上経過しましたが、破損はこれまで一度もなく交換もしていません。お客様も「イニシャルコストはかかったが、想定以上の費用対効果」と驚かれています。