循環流動床ボイラーの流動砂リサイクル

CASE 051

  • 処理:供給、ふるい分け
  • 業種:製紙
  • 原材料:使用済み循環流動床ボイラー用流動砂
  • 導入商品:バイブロフィーダ、バイブロスクリーン

依頼内容

製紙会社様から「使用済みの循環流動床ボイラー用流動砂をリサイクルする設備を、リニューアルしたい」とご連絡をいただきました。

課題・原因

取り扱っている材料は、使用済みの循環流動床ボイラー用流動砂ですが、具体的には石や塊のようなものが混ざった砂です。ここから不純物を取り除き、流動砂として再利用するための砂だけを回収する設備が、リニューアルの対象でした。既設では、ストレージタンクに投入した材料をいったん全長約4,000mmのスクリューコンベヤで受けて、斜め上にある振動ふるいの投入口まで運び、リサイクル用の砂と廃棄する不純物とに選別していました。しかし、スクリューコンベヤは構造的に処理物による摩耗性が高い上に、30度傾けた状態のためさらにその負荷が大きくなってしまい、頻繁にスクリュー羽などの消耗品を取り換えなければなりませんでした。また、スクリューコンベヤは、部品交換や整備の際、該当関連箇所を分解する必要があります。おのずとメンテナンス作業に時間がかかってしまい、その影響はそのまま生産性に直結していました。

提案内容

まず、ふるい分けには、振動式スクリーン「バイブロスクリーン」を、そしてホッパから同機への供給には、振動式フィーダ「バイブロフィーダ」を選定しました。ともにユーラスバイブレータを振動源としており、安定した稼働を誇る当社の看板商品です。お客様からのご依頼はふるい分け機単体だったのですが、生産性改善のためには供給部分も含めた設計が欠かせないと判断しました。本件で特に懸念されるのは、選別時のふるい網の目詰まりですが、その対策としては「バイブロスクリーン」の網下にタッピングボールを入れます。同機の振動でタッピングボールは跳ね上がり、網面を下から叩き処理物の目詰まりを防止することができるのです。また、密閉形の場合、内部確認用の点検口やカバーはボルトナット構造が一般的ですが、キャンバス地カバーにすることをご提案しました。固定方法がゴムバンドのため、作業効率が格段に向上します。「バイブロフィーダ」と「バイブロスクリーン」はフレキシブルジョイントで結合し、全高は1,400mm弱です。既設は2,000mm以上なので、シンプルかつかなりコンパクトな装置となりました。お客様からは提案内容に前向きな感想をいただき、ホッパを含めたふるい分け装置全体をご発注いただきました。導入後しばらくすると、「目詰まりすることもなくスムーズに稼働し、生産性も大幅に向上でき満足している。リニューアルのおかげで、消耗品交換の費用や作業の負担から開放された」とご報告をいただきました。「バイブロフィーダ」は振動式のため、処理物によるライニングの摩耗が少なく、ほとんどの場合、消耗品の交換も長期間不要なのです。