原材料の摩擦抵抗差を利用した選別

CASE 027

  • 処理:ふるい分け、選別
  • 業種:化学、食品
  • 原材料:プラスチックとゴムの破砕品
  • 導入商品:バイブロフィーダ

依頼内容

化学・食品メーカー様から「粒度も嵩比重も同等な数種類のプラスチックとゴムの混在品を低予算で選別できないか」とご相談を受けました。

課題・原因

まず前提として、お客様は別の新たな設備を検討中のため、本件にはあまり予算が取れないという事情がありました。選別対象は破砕されたプラスチックとゴムの混在品、さらにプラスチックは数種類が混ざっています。本来であれば数段階のふるい分けを行い、それぞれの種類ごとに分別するのが理想的です。しかし、それでは設備コストが予算内に収まらないので、せめてプラスチック系とゴム系とに分別されるようにしたいとのご要望でした。ところが、混在物同士の粒度と嵩比重がともに同等のため、振動式ふるい分け機でも風力選別機でも好ましい結果が出ません。カメラや光学選別機などを組み合わせれば可能性は高まりますが、前述の状況により、もちろんそのようなコストはかけられず、選択肢にはなりませんでした。

提案内容

熟考の末、目をつけたのは2つの原材料の特性です。プラスチック系は硬く摩擦抵抗が低いが、ゴム系は柔らかく摩擦抵抗が高い。この特性を利用し、当社の振動フィーダ「バイブロフィーダ」を従来とは逆の上り傾斜にして使用することをご提案しました。ゴム系は上り傾斜でも登っていくが、プラスチックは滑りやすいので下がっていくのではないかと考えたからです。「バイブロフィーダ」は、傾斜角度・振幅・振動数を自由に設定できるので、分岐に最適な数値設定ポイントを見つけることができれば、理論的には良い結果がでるはずです。さらに、投射角も調整できる構造にすることも加えた提案内容に対し、お客様は「十分に期待できる」とご判断され、ご注文をいただくことができました。納入後しばらくしてごあいさつに伺ったところ、本件における当社の「柔軟な提案力と対応力を高く評価している」とのコメントをいただきました。そして、さっそく別のふるい分け工程での振動式ふるい分け機導入ついてご相談くださり、そちらもご注文をいただくことができました。