落下衝撃にも水分にも強い両送りコンベヤ

CASE 036

  • 処理:輸送
  • 業種:化学
  • 原材料:スラリー状のプラスチック樹脂
  • 導入商品:バイブロコンベヤ

依頼内容

化学メーカー様から「フィルタープレス機から落下する脱水ケーキを受け、左右両方向に運べる輸送機を提案してほしい」とお話をいただきました。

課題・原因

前工程のフィルタープレス機では、原料のスラリー状のプラスチック樹脂を圧縮し、脱水ケーキにして排出します。しかし、原料は2種類(仮にAとB)あり、それぞれ次工程装置が異なるフローとなっていました。ですので、トラフの中央で脱水ケーキを受け、原料Aは右方向に、原料Bは左方向にと、操作で切り替えながら両方向に搬送できるような輸送機をお求めでした。原料は最大500mmの脱水ケーキになって投入されるため落下衝撃に強いこと、また、同時に水分も流れてくるので液体がこぼれない構造であることが必須です。搬送部の寸法は、幅750mm、長さ7,100mmで、搬送量は200kg/min、材質および仕上げなどにもいくつかの制約条件がありました。

提案内容

最初にご提案したのは、ユーラスバイブレータを3台装着した両送りタイプの「バイブロコンベヤ」です。一方向に搬送する標準的な「バイブロコンベヤ」の場合は、2台のユーラスバイブレータをモータベースの両側面(搬送方向と垂直)にそれぞれ取り付けますが、両方向に搬送するためには3台のユーラスバイブレータ(仮にA・B・C)が必要になります。中央のモータベース底面にA、搬送方向の両側面にそれぞれBとCを取り付け、AとBを稼働させると右方向に、AとCを稼働させると左方向に原材料を運ぶことができます。シンプルな構造で衝撃に強く、トラフの側面は高さもアレンジできるので液体がこぼれる心配もありません。その他の課題もすべてクリアした内容でした。ところが、提案後に高さ制限があることが判明したのです。設備レイアウト上、高さが1,450mm以下でないと組み込めないとのことでした。ご提案した設計だと1,600mmですので収まりません。そこで、新たにユーラスバイブレータをもう1台増やし4台で構成することをご提案しました。実は、当社には同様のケースでの実績があったのです。モータベース底面のAの位置には取り付けず、B側C側にそれぞれ2台ずつ装着するという構成です。B側2台とC側2台の稼働を切り替えると搬送方向が反転します。この配置ならばモータベースの底面にはユーラスバイブレータがありませんので、全体の高さを制限内の1,400mmに抑えることができます。新たな提案内容はとても高く評価され、この仕様の「バイブロコンベヤ」を一度に2台もご発注いただきました。また、納入後しばらくして設備が拡張されることとなり、同商品を新たに6台も追加でご注文いただきました。