添加物を混合し金属粉末をコーティング

CASE 037

  • 処理:混合
  • 業種:鉱業
  • 原材料:金属粉末
  • 導入商品:連続式バイブロミル

依頼内容

鉱業メーカー様から「金属粉末に添加物をコーティングする装置の新設を検討している」とご相談がありました。

課題・原因

お客様からは、二つのご要望がありました。まずひとつ目は、当然のことながら品質です。金属粉末には、一定量の添加物が均一にコーティングされることが必須条件でした。そして、二つ目はランニングコストです。消耗部品の交換など、維持・運用費の負担をできるだけ抑えたいとのご希望でした。回転羽根を使用する一般的な混合機では、周速が早すぎるためコーティングが均一化されず、ご要望の品質レベルを達成できません。また、材料の金属粉末は表面硬度が高いため、摩耗する回転羽根を頻繁に交換しなければならず、ランニングコストも見合いません。つまり、一般的な混合機ではなく、まったく別の方法を提案してほしいとのことでした。

提案内容

本来、粉砕機として使用される「連続式バイブロミル」の円振動を、本件のような混合にも転用できるのではないか、と考えました。粉砕目的の場合は、ドラム内に原材料と粉砕用の媒体(ロッドやボール)を一緒に入れて使用しますが、媒体を入れなければ円運動でドラム内がかき混ざるだけです。金属粉末と添加物のみを投入すれば、コーティングにも応用できるはずなのです。「連続式バイブロミル」はシンプルな構造のため、ランニングコストの心配もありません。媒体がなければ2年に一度程度のライニング交換のみです。問題はコーティングの品質ですが、この使用法は事例がないため、まずはサンプルテストを実施することになりました。その際に、排出口のストレーナ(目板)の下半分をブラインドでふさぎ、金属粉末がその高さを乗り越えなければが排出されない仕様にすることも、あわせて提案しました。こうすることで、金属粉末と添加物がドラム内に滞留する時間が長くなり、より高品質なコーティング効果が期待できるからです。サンプルテストは順調に進み、少しずつ条件を変えながら繰り返し行った結果、最適な条件を見つけ出すことに成功しました。お客様による成分分析でも希望の混合条件が確認され、正式に採用となりました。導入後は、「品質・ランニングコストは申し分ない。コンパクトなうえメンテナンススペースなども十分考慮されていて、非常に使いやすい」との感想をいただきました。また、媒体を使用していないため、騒音値が80dB(A)以下と非常に低いことも作業環境の観点から高評価でした。