既設の配管を流用した空気輸送機の刷新

CASE 044

  • 処理:輸送
  • 業種:食品
  • 原材料:グラニュー糖
  • 導入商品:ステップフロー

依頼内容

食品会社様から「グラニュー糖を空気輸送しているのだが、配管の閉塞と処理能力不足を改善したい」とご相談がありました。

課題・原因

既設は40年前から使用し続けている高圧空気輸送装置で、かなり老朽化していました。配管はしばしば閉塞し、その度に現場のオペレーターがハンマ等で詰まり箇所を叩きどうにか解消しているという状況です。そこで、当社のプラグ圧送式空気輸送機「ステップフロー」へのリニューアルをご検討されていましたが、予算的な事情もあり、既設の配管とレシーバタンクは流用したいとのご要望でした。「ステップフロー」の納入実績は豊富にありますが、既設への組み入れは稀な上、配管の流用は初のケースとなります。通常であれば、ステップフローの閉塞防止機構であるリレーステーションを、配管の曲げ箇所や立ち上がり箇所には必ず取り付けますが、既設配管を流用する場合は、最適な取付位置や個数を現場で検証しながら絞り込まなくてはなりません。また、レシーバタンクや配管の耐圧が0.5MPaのため、それ以上供給圧を上げられないという問題もありました。

提案内容

流用する既設配管は、搬送距離60m、呼び径65Aです。それを前提に、加圧タンク容量が250Lで輸送能力が4t/h、そして送出管部にユーラスバイブレータを装着したタイプの「ステップフロー」VSF250S/65をご提案しました。ユーラスバイブレータについては、付着性の強い原材料の場合にはその振動が欠かせませんが、本件では空気流だけで十分な可能性もあるので、サンプルテストを行って判断しましょうとご説明しました。また、リレーステーションの数量については、搬送距離と8箇所のベント数から16個と算出しましたが、既設の配管にノッカが使用されていることなどを考慮し、まずは4個から現地で検証することになりました。後日、サンプルテストを行った結果、ユーラスバイブレータが無くとも4t/hで安定輸送できることが確認され、最終的にユーラスバイブレータが付いていないタイプのSF250S/65をご採用いただきました。そして、現地に納入設置し試運転を実施したところ、間もなく閉塞が頻発する事態に直面しました。しかし、原因を精査しながら供給圧設定の調整やノッカの取付位置変更を何度も重ねた末、最適条件を見つけ出し、無事に解決することができました。リレーステーションの数量も不安はありましたが、4つで問題ありませんでした。実稼働後も順調なようで、お客様からは、「初期設定では少し苦労したが、その後は一度のトラブルもなく安定して輸送できている。処理能力も希望通り送れており、オペレーターの手も掛からなくなり助かっている」とのコメントをいただいています。本件では、初の既設配管を生かしながらの導入となりましたが、いったん適正な条件を設定さえできれば、その後は新設配管同様にメンテフリーで稼働する「ステップフロー」の安定性を、あらためて実証する事例となりました。