7種類の粒度に選別するふるい分け装置

CASE 045

  • 処理:ふるい分け、選別
  • 業種:鉄鋼
  • 原材料:焼結鉱(焼結処理を施した鉱石)
  • 導入商品:バイブロスクリーン、電磁フィーダ

依頼内容

鉄鋼メーカー様から「多段式のふるい分け作業を自動化したいのだが、最適な装置を提案してほしい」とご相談がありました。

課題・原因

現場を確認したところ、粒度分布を調べるために原料である焼結鉱を7種類のサイズに選別しているのですが、すべて手作業で行われていました。この工程を自動化したいということです。導入したい装置の必須条件は、焼結鉱を最小3mmアンダーから最大25mmオーバーまで7つの粒度に分けられることと、投入用ホッパを含めた装置全体の高さを床から2,000mm以内に収めることです。そして、1バッチは投入量20kg以下で処理時間5分以内、というご希望でした。既製品の粒度測定器では、投入可能量が足りない上、10mm以上の原材料に対応している機種はありません。

提案内容

当社の看板商品の一つでもあり、納入実績も豊富な振動式ふるい分け機「バイブロスクリーン」を選定しました。「バイブロスクリーン」は、実装されたユーラスバイブレータの振動による垂直運動で、対象物をふるい網で選別しながら水平方向に運びます。本件では6回の選別が必要ですが、それを1台の「バイブロスクリーン」で行うというプランをご提案しました。具体的には、網目のサイズが違う6種類のふるい網を用意し、進行方向に対して目の小さい網から順に並べるという内容です。その分、全長は少々大きくなりますが、お客様は1床で6段階選別するというアイディアに興味を持たれ、テストを行うことになりました。しかしながらその結果、まず全長が5.000mmを超えてしまうこと、そして一部の排出にトラブルの懸念があることが判明し、この案は見送ることになりました。そこで、軌道修正をし、2台の「バイブロスクリーン」を上下に重ねて設置するプランに刷新しました。網目の違う6種類のふるい網は、上の機器(以下A)に3mm〜10mmまでの3種、下の機器(以下B)に10mm〜25mmまでの3種に振り分け装着します。Aからの排出がBの投入部に行われるよう、AとBは前後逆向きに設置し2台の搬送方向を反対にします。この設計ですと、全長が4,000mm強と前案から大幅にサイズダウンでき、高さも1,600mm程度なので余裕を持って収まります。お客様にもこのプランでご承認いただき、「バイブロスクリーン」2台の他、投入口のホッパ、定量供給するための「電磁フィーダ」、操作制御盤まで含めてご注文いただきました。導入後は、「負担だった手ぶるい作業がなくなり、原料を投入して出てきたサンプルの重量を測るだけになった」と現場の皆さまに喜ばれています。もともと装置自体をスクラッチで開発することを想定していたそうで、コスト面でもかなり感謝していただきました。