水分を含む有機物を300μm以下に粉砕

CASE 046

  • 処理:粉砕
  • 業種:化学
  • 原材料:乾燥オクラ
  • 導入商品:連続式バイブロミル

依頼内容

化学メーカー様から「乾燥させたオクラを細かく粉砕するために機械の導入を検討している」とご連絡をいただきました。

課題・原因

お客様の、土壌の改善に関する研究によると、「オクラの成分が有効であることが判明」したそうです。ただし、「一定レベル以下の粒度まで細かくしないと効果が出ない」ことから、商品化を見据えて、当社の粉砕機にご興味を持たれたということでした。粉砕原料は250mm程度に成長したオクラです。それらをすべて300μm以下にまで粉砕したいとのご要望でした。当社では、これまで多くの粉砕機を納入していますが、オクラのような有機物を処理した実績はありません。有機物に含まれる水分は、粉砕する際にドラム内で蒸気となります。その影響で処理物は固着し、閉塞してしまう可能性が非常に高く、実効性のある対策が必須です。当社にとっても、未知への取り組みとなりました。

提案内容

選定したのは連続式の振動ミル「連続式バイブロミル」20Lタイプです。ただし、水分への対策として原料の下処理をご提案しました。まず、オクラをしっかり乾燥させ水分を8%以下まで飛ばします。そして、適正なサイズである20mm〜30mmにカットします。この2工程を行うことで有機物でも「連続式バイブロミル」で処理ができるはず、と考えました。あとは、媒体の最適な組み合わせとなりますが、それを見極めるには実際の原料で試してみるしかありません。これらの説明に加え、「連続式バイブロミル」の粉砕原理にもご理解をいただき、後日サンプルテストを行うこととなりました。テストでは、媒体の形状やサイズや量を幾度となく変えながら検証し、最終的には、上段ドラムはφ25mmのロッドでオクラを裁断し、下段ドラムはφ25mmのボールで目標粒度を達成する、という組み合わせがベストだと突き止めました。また、カットされていないオクラが一定数混入すると閉塞することがわかり、下処理の重要性もあらためて共有できました。お客様には、テストを通じて「連続式バイブロミル」の性能を評価していただき、スムーズに導入が決まりました。ところがその後、土壌の改善には別の方法が採用されることになり、残念ながらオクラ方式は一旦見送りとなってしまったのです。しかし、お客様からは、「有機物でも条件が整えば『連続式バイブロミル』で粉砕できることがわかったことは大きな収穫です。今後も新たな原料でチャレンジします」と未来志向のコメントをいただけました。