「電磁フィーダ」を小型スクリーンに応用

CASE 049

  • 処理:ふるい分け
  • 業種:化学
  • 原材料:フェノール樹脂成形材
  • 導入商品:電磁フィーダ

依頼内容

化学メーカー様から「使用中のふるい分け機でダマが発生してしまうため、後段にダマ取り用のスクリーンを新たに設置したい」とご相談がありました。

課題・原因

取り扱っているのはフェノール樹脂成形材です。アベレージ3mmサイズの製品を回収するために、目開き80meshの網を装着した円形ふるい機で微粉をカットしていました。しかし、その一定割合が凝集しダマとなり、網上に残ってしまうとのことでした。ダマが発生してしまう原因は、フェノール樹脂成形材の特性もありますが、主に円形ふるい機の網上における処理物の動き方によるものです。同機の構造上、処理物は円を描きながらふるい分けられるため、軽量の微粉は、滑りながら凝集・造粒されやすいのです。そのダマを取り除くためのスクリーンとなると、まず、ユーラスバイブレータを搭載した振動式ふるい分け機「バイブロスクリーン」が最適ではないかと考えました。ところが設置予定の現場を確認すると、装置の追加は想定していなかったため、レイアウト上そのようなスペースはありません。限定されたエリア内に収まるコンパクトさが、必須条件でした。

提案内容

当社のラインナップで最も小さな振動機である「電磁フィーダ」を選定しました。本来は供給機として使用しますが、カスタマイズして金網を取り付ければふるい分け機にも応用できるはずです。「バイブロスクリーン」を設置するには最低でも長さ900mmのスペースが必要ですが、「電磁フィーダ」であれば300mm(最小モデル)から設置可能なので、スペースの問題を解決できます。具体的なスクリーンへのカスタマイズ内容は、トラフの側面を上下の中央で切り分け2段構造にし、その間に金網をはさむイメージです。金網は定期的に交換が必要な消耗品のため、上下のトラフ側面とはボルトで固定し脱着可能な仕様にします。そして、上段の上部には投入口を空けたトラフカバーを取り付けるという構成です。カタログには掲載されていない特別仕様のプランに、お客様は「そんなこともできるのですか」と驚いたご様子でしたが、設計図をお見せしながら詳しくご説明したところ、ご納得されご注文いただくことができました。納入後は、「シンプルな形で改善できて良かった。想定していたより振動が小さく、現場環境にも優しい」とのレビューをいただきました。