付着性が強い医薬品用素材のふるい選別

CASE 052

  • 処理:ふるい分け
  • 業種:医薬
  • 原材料:医薬品用素材
  • 導入商品:リバース式円形ふるい

依頼内容

プラントメーカー様から「医薬品用のふるい分け工程で、素材の付着性が強く困っている。相談に乗って欲しい」とご依頼がありました。

課題・原因

既設では一般的な円形ふるい機を使用されていました。取り扱っている医薬品の素材は高額のため、高い歩留まり率でないと採算が合いません。しかし、想定していたより付着性が強く、網上での解砕が不十分な上、網の目詰まりが頻繁に起こっていました。このようなケースでは、タッピングボールを入れる対処が効果的なのですが、本件は製品が医薬品です。ほんのわずかなコンタミでも製品価値が損失してしまうため、タッピングボールを使用するわけにはいきませんでした。また、医薬品製造ラインは洗浄を毎日行う必要があるので、作業員に負担の少ないコンパクトさと分解のしやすさもご希望されていました。

提案内容

まず、洗浄面での考慮から円形ふるいタイプは踏襲します。その中で、強い付着性に対応できるよう、既設機より振動加速度が2倍大きい強力型を選択しました。そして、歩留まり率改善への対策として、自動バッチ式のリバース型と組み合わせた「リバース式円形ふるい」をご提案しました。「リバース式円形ふるい」は、一般的な円形ふるい機に比べ処理能力は少し低下しますが、ふるい選別と排出を自動で繰り返し運転するので効率的な上、処理物を網面に滞留させ完全にふるいきることができます。サイズに関しては、分解・組み立て時の重量負荷から枠の直径は800mmまでと考え、ご提案機種は形式KGCR-800-1Dとしました。このプランに対して、お客様は処理能力の低下について懸念されていましたが、実際の素材でテストしてみたところ、目標処理量を達成できることが確認できました。材料はしっかり解砕され、目詰まりもなくふるい分けられる様子をご覧になり、「歩留まり率の改善も期待できる」と採用に至りました。最終的な仕様には、さらに洗浄時の分解効率を向上するためにワンタッチ式のバンドも取り入れました。導入後は、「制約の多い中で最適な提案をしてくれた」と非常にご満足いただき、その後、ラインの増設や海外工場への展開など新たな商談もご依頼いただいています。