タングステン混合合金の連続粉砕システム

CASE 055

  • 処理:粉砕
  • 業種:リサイクル
  • 原材料:タングステンを含む混合合金
  • 導入商品:連続式バイブロミル、電磁フィーダ、ボウルフィーダ

依頼内容

リサイクル会社様から「10mm程度に粗破砕したタングステンを含む混合合金を連続処理で1mmアンダーに粉砕したい」とご相談を受けました。

課題・原因

供給から粉砕品の計量まで、システム全体をワンストップで任せたいとのご依頼です。当社では、混合合金の粉砕実績はありますが、タングステンを含んだものとなると事例がありませんでした。タングステンは、比重が金と同程度の19.3と重いうえ、非常に硬いのが特徴の金属です。それを含む本件の混合合金も、かさ密度が5~6kg/Lあるため、直圧を考慮した供給機の選定が必要になります。また、粉砕中に発生する粉砕熱により混合合金が変質する可能性があり、それを回避する手立ても必要です。ご希望の処理能力は15kg/hと多くはないのですが、難易度の高い原材料でした。

提案内容

まず、粉砕機は「連続式バイブロミル」の50Lを選定しました。そして、粉砕熱への対策としては、オプションの水冷ジャケットを採用します。これで、変質への懸念は解決できるはずです。次に供給機については、通常であれば「電磁フィーダ」を選択するところですが、直圧の影響により安定供給ができないと推測されます。そこで、2段階で供給するという方法を案出しました。「電磁フィーダ」の前段に「ボウルフィーダ」を加え、貯留しながら必要量を供給すれば、「電磁フィーダ」への直圧を軽減できるはずだと考えたのです。これで直圧の問題もクリアです。このプラン内容でご提案し、サンプルテストを行ったところ、供給も粉砕もトラブルなく安定して行われることが確認されました。立ち会われたお客様もご納得で、冷却水用チラーユニット、粉砕品用計量器、制御盤も含めたシステム全体をご発注いただきました。据付工事、試運転調整、引き渡しと非常にスムーズに行われ、本稼働後も問題なく安定して粉砕できているとのご報告をいただいています。